CHRONIC KIDNEY DISEASE

慢性腎臓病(CKD)とは

腎臓は血液をろ過し、体内で生じた老廃物や余分な水分、電解質などを尿として排泄する臓器です。また、血圧を調節したり、赤血球の産生を促すホルモンを分泌したりするなど、生命を維持するうえで重要な役割を担っています。
慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎臓の障害や腎機能の低下が3か月を超えて持続する状態の総称です。具体的には、尿たんぱく(アルブミン尿)など腎障害を示す所見が続いている場合、または腎機能を示すeGFRが60 mL/分/1.73 m²未満の状態が続いている場合に診断されます。
eGFR(推算糸球体ろ過量)は、腎臓が1分間にどの程度の血液をろ過できるかを推定した値です。一般に、数値が低いほど腎機能が低下していることを示します。ただし、eGFRが60以上であっても、尿たんぱくなどの腎障害を示す所見が続く場合には、慢性腎臓病と診断されることがあります。
慢性腎臓病が進行すると、末期腎不全に至ることがあります。その場合には、生命を維持するため、血液透析や腹膜透析、腎移植などの腎代替療法が必要になることがあります。
慢性腎臓病の原因には、高血圧による腎硬化症、慢性糸球体腎炎、糖尿病関連腎臓病、多発性嚢胞腎など、さまざまな病気があります。このため、慢性腎臓病は一つの独立した病気ではなく、さまざまな原因によって生じる病態の総称です。

慢性腎臓病の治療目的

慢性腎臓病の治療には、大きく二つの目的があります。
・腎機能の低下を抑え、透析や腎移植などの腎代替療法が必要となる時期をできる限り遅らせること
・慢性腎臓病に伴う合併症を予防し、その程度を軽減すること
これらの目的を達成するため、患者さんの腎機能や原因疾患、合併症などに応じて、次のような治療を行います。

ケイクリニック

❶生活習慣の改善

適正体重の維持、バランスのよい食事、食塩制限、禁煙、適度な運動などに取り組みます。食事や運動の内容は腎機能や病状によって異なるため、
医師や管理栄養士と相談しながら進めることが大切です。

ケイクリニック

❷薬物療法

慢性腎臓病の原因や進行度、併存する病気に応じて治療薬を選択します。血圧を下げて腎臓を保護する薬のほか、必要に応じて、腎性貧血、代謝性アシドーシス、慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常などに対する治療薬を使用します。

当院で行っている検査

慢性腎臓病の診断には、尿検査と血液検査が基本となります。慢性腎臓病は、腎障害または腎機能低下が3か月を超えて持続していることを確認して診断するため、
過去の検査結果を確認したり、必要に応じて期間をあけて再検査を行ったりします。

慢性腎臓病が疑われる場合には、次のような検査を行います。

・早朝第一尿を用いた尿たんぱく・尿アルブミンなどの検査
・血清クレアチニンによるeGFRの算出
・必要に応じたシスタチンCによる腎機能評価
・腎臓超音波(エコー)検査

腎臓超音波検査では、腎臓の大きさや形、萎縮・腫大の有無、結石や石灰化、嚢胞の有無、腎実質の状態などを確認します。
慢性腎臓病は、早期には自覚症状がほとんどないことも少なくありません。健康診断などで尿検査や腎機能の異常を指摘された場合には、放置せず、早めに医療機関へご相談ください。

診断基準の表現は、日本腎臓学会の「腎障害を示す所見またはGFR 60未満のいずれか、または両方が3か月を超えて持続する」という考え方に基づいています。